サッカー 守備について適当に語るブログ

サッカーについて適当に書きます

懐かしのCL決勝 07/08マンチェスターユナイテッドVSチェルシー

 私がこの試合初めて観たのは中学生の時である。当時のユナイテッドはプレミアリーグ連覇中で、最初の全盛期を迎えた頃のクリスティアーノ・ロナウドを要し、黄金時代を謳歌していた。

記憶の中では、ユナイテッドがゴリゴリに攻めて、チェルシーがゴリゴリに守るという試合だった気がしていたが、久しぶりに観ると、思ったよりチェルシーが押してた印象である。決定機の数だけだとユナイテッドの方があったが、どちらかというと耐えてる時間の方が長かったからびっくりである。つくづく記憶は曖昧だなと思う。

 

★試合の流れ

まず両チームともに最終ラインが低めに設定されていた。当然、当時に比べて現在のサッカーは戦術が進化しているため、やっているサッカーは違う。その中で特にぱっと思いついたのは、最終ラインが低いということ。CLの決勝戦ということで両チーム堅く入ったという事も考えられるが、今と比べて昔は中盤と最終ラインの間のスペースの重要性がそこまで浸透してなかったのかなというのが1番の理由だと思う。

特にチェルシーは最終ラインが低い割に、インサイドハーフの2人がユナイテッドの中盤を捕まえに行くので、真ん中のスペースはマケレレ1人という状態であった。そのスペース気が利く2トップのルーニーテベスが入ってきて、起点を作っていたので前半はユナイテッドペースで進んでいた。

 

・後半チェルシーの修正

 得点の流れは省略して、前半は1−1で終了。後半チェルシーは守備陣、バラックマケレレのダブルボランチランパードトップ下気味にして、さらにサイドハーフを中に絞らせる形に修正し、ルーニーテベスの間受けを遮断。結果徐々にペースを握り始める。

ユナイテッドの守備は、最終ラインが低いのはチェルシーと同じだが、スコールズキャリックの両ボランチは低めに位置取るため、中盤と最終ラインの間は空かないが、中盤の前が空きがちだった。前半はルーニーテベスの鬼守備があったのと、攻撃でイニシアチブを握れていたので対応できていたが、後半はボールを持たれるようになってからは、きつくてなっていた。後は、ロナウド現在と変わらず守備に積極的ではないので、前からプレスをはめられないというのもきつい。

 

・崩れないユナイテッド、修正

 チェルシーにボールを持たれて押し込まれるが、当時のユナイテッドは本当に崩れない。まず両センターバックファーディナンドとビディッチが本当に堅い。当時の世界最強コンビは記憶通り世界最強コンビであった。さらに両ボランチも流石。今で言うハーフスペースのカバーに必ず入ってくれるので、最強のセンターバック達が外に釣り出されない。現在のユナイテッドも中盤のハードワークのおかげで堅守を保てている。重心が下がったときの守備で大事なのはセンターバックをできるだけ中で勝負させる事、それは今も昔も変わらない。

ただユナイテッドは75分あたりに修正を加える。右のハーグリーブスを真ん中に持ってきて、ルーニーを右サイドハーフに移動。要するに中盤の前のスペースを埋めるための采配。複数のポジションをできる選手が多いと、メンバーを変えずに、修正ができるのは非常にいい。

ただこの采配を功を奏したかと言われれば微妙である。終盤から延長戦にかけて両チーム疲労の色が濃くなり、オープンなゲームになったため、戦術云々ではなくなったというのもある。

 

・無情な結末

 この後、PK戦に入りその先は、誰もが知っているテリーのスリップ事件になるわけですが、この時本来なら、テリーではなく、ドログバが5人目のキッカーの予定であった。ただ延長でドログバが退場したことによってこの悲劇が起きたものである。でさらにチェルシーは後々CLを優勝するわけであるが、その時テリーは準決勝の退場で決勝に出れなかったというのもまた残酷である。チームメートのバラックレバークーゼンでのCL、W杯に続いてのまたしても決勝敗退。その後のユーロでもスペインに敗れ決勝で敗退。今思えば、シルバーコレクターの座を返上する最大のチャンスだったと思っている。

 

マケレレとカンテ

最後に気になった部分を少し書きたいと思う。

よくカンテとマケレレは比較されてい事が多い。同じフランス人で小柄で中盤の守備職人で共通点も多いので、当然である。ただこの試合を見た印象としては、若干違うなと思った。

マケレレは自分の守るスペースを空けない。要するに不用意に動き回らない。インターセプトを狙うというよりは、縦パスに対してサイドバックセンターバックと一緒に挟み込む守備が多い。どちらかというと後ろの矢印でギアオ上げる感じ。カンテは鋭い出足を活かしてインターセプトやプレス等の前の矢印が強い印象。ただそれだけでなく、プレスバックや横にも動いて、とにかく守備範囲が広い。どちらかというと、マケレレは埋める守備で、カンテは狩りにいく守備という表現が正しいかもしれない。

攻撃に関しては、サッリの指導を受けたという事もあるが、カンテの方が貢献度は高い。マケレレは足下はうまいと思う。ただ非常にシンプル。バックパスばかりするわけではなく、的確に空いてる選手にシンプルに渡すというのが非常に上手い。だから、よく観察すると、要所で攻撃の起点になるパスを出していたりする。

逆にカンテは自ら運ぶドリブルができる。運んで味方に当てて、自らスペースに走り込む。前への推進力が強い。攻撃の起点になるパスも出せるし、自らシュートに行くパターンも多い。これに関しては、レスターにいたときからもやっていたので、元々そういうスタイルだと思われる。

 

まだまだちゃんと観察すれば、細かい違いはあると思うが、以外と似ているようで似てなかったということを痛感した。過去の記憶はやっぱり曖昧だし、そういの思い出せてくれる。DAZNのこの企画には感謝したいと思う。