1ボランチ(アンカー)と2ボランチの守備の役割の違い
中盤の底(以下アンカー)を1人でやる場合と、ダブルボランチで2人が中盤にいる場合では守備のやり方は当然変わってくる。
具体的に何が違うかというと、アンカーの守備のキーワードを上げると、「埋める」「挟む」「落ちる」でダブルボランチは「狩る」「拾う」「スライド」である。
ダブルボランチの最後だけ横文字が入ってしまってリズムが悪いが、適切な単語がなかったのでこれでいきたいと思います。
★アンカー守備
アンカーの守備の特徴と言えば、最終ラインの前に構えて、主にフィルターの役割をこなし、動き回るよりかは真ん中のスペースを空けないことを要求される。
「埋める」というのはスペースを消して縦パスを入れさせないということ。
不用意に動き回ってしまうと、真ん中のコースが空いてしまう。将棋の歩と同じで、そこにいることで相手の侵入を牽制する意味合いもある。
どちらかというと豊富な運動量よりはポジショニングセンスが求められる。
「挟む」はセンターバックと相手をサンドイッチするということ。
いくら真ん中のコースを消していても頭をこされるボールや、相手の技術が高いとフォワードの足元に縦パスを入れられることはある。
その時センターバックが前を向かせない対応をしていれば、プレスバックして挟み込むことでボールを奪取できる。
「落ちる」はセンターバックがサイドに釣り出せれたときに、ディフェンスラインに入り、センターバックの代わりをこなすということ。
バルセロナの試合ではブスケッツがよく最終ラインに入っているのが見かけるが、アンカーシステムを採用しているチームのほとんどは、この「落ちる」が要求される。
★ダブルボランチ守備
ダブルボランチは相方が横にいる関係上、スペースを埋めることにそこまで神経質にならなくてよく、どちらか言うと人に対して守備に行ったり、上下幅広く動いたりということが求められる。
「狩る」は少し攻撃的な表現であるが、ボール持ってる選手に厳しく寄せて、ボールを奪取することである。あるいはパスコースを見極めてインターセプトしてカウンターの起点になることである。
当然人への強さが求められる。
「拾う」はアンカーの守備でも求められるが、ダブルボランチの方がより頻度は多く、要するにセカンドボール等のルーズボールを拾うことである。
どちらのボールでもないボールをマイボールにできればそれだけでチームは助かる。
「スライド」はポジションを横に動かしていくということであるが、1番多いのはペナ角いわゆるハーフスペースのカバーである。
アンカーシステムの場合はアンカーが最終ラインに落ちてもインサイドハーフの2名が中盤のスペースを埋めてくれるが、ダブルボランチだと1人が最終ラインに入ると、真ん中のスペースが1人だけになってしまうので、あまり入らない方がいい。
ということはセンターバックにハーフスペースのカバーに行かせない方がいいということで、その代わりにボランチがカバーに入る。
それ以外にも中が2人しかいないので横の移動がアンカーに比べて多くなってくる。
以上が1ボランチ(アンカー)とダブルボランチでの守備の役割を簡潔にまとめたものである。
どちらかというとアンカーにはインテリジェンスとポジショニングセンスが、ダブルボランチには運動量と対人の強さが求められる。
それらを踏まえるとカンテはアンカーよりはダブルボランチの一角かインサイドハーフの方がいいのかなと個人的には思っている。