レバークーゼンを窒息させたヴォルフスブルクの守備
ブンデスリーガ再開後リーグ戦2戦2勝、得点力も合わせて7点と絶好調なレバークーゼン。
さらに、前にカイ・ハヴェルツの記事も書いたのでもう1回チェックしようと思いレバークーゼンとヴォルフスブルクの試合を観戦。
するとびっくり、ヴォルフスブルクの守備が良すぎて、レバークーゼンの攻撃を完全にシャットアウトしていた。
というわけで今回はレバークーゼンを押さえ込んだヴォルフスブルクの守備について書きたいと思う。
★スタメン
レバークーゼンは前節3バックであったが、今節は4バックを採用、ヴォルフスブルクはフラットな4−4−2であった。
結果的に4バックで臨んだレバークーゼンが苦しむことになる。
★ダブルボランチを完全封鎖
基本的にはレバークーゼンがボールを持つことになり、それに対してのヴォルフスブルクの守備がこちら。
センターバックは比較的自由に持たせて、2トップでダブルボランチのコースを遮断する。
高い位置を取るサイドバックにたいしては、しっかりサイドハーフが対応する。
単純だがこれが凄い効果的で、中にボールが入らないので、当然攻撃の中心のハヴェルツにもボールが行かない。
というか前に全然ボールが入らない。
センターバックがフリーなので、ドリブルで運べれば全然問題ない場面であるが、この試合ではその場面がほとんどなく、手詰まりになってしまっていた。
ちなみにセンターバックの持ち運びの有効性についての記事も載せておきます。
ヴォルフスブルクの2トップも待ち構えているだけでなく、センターバックが詰まってきたなと思ったら、プレスの圧を強める。
この時もヴォルフスブルクのボランチが連動してプレスにかけにいくが、この時両ボランチがまえに出る瞬間があるので、その空いたスペースを狙えていれば、もう少し攻撃の形ができていたかもしれない。
時折、ハヴェルツが受けてた場面はあったものの継続性はなかった。
★後半3バックに変更
前半攻撃が停滞したまま先制を許したレバークーゼンは後半頭から一気に3枚変えて、かつ3バックにシステムを変更する。
この変更は非常によかった。
交代の内訳
ベンダー → ドラゴヴィッチ
ワイザー → バウムガトリンガー
ベララビ → ウィルツ
アランギスが最終ラインに落ちて、アミリが右ウイングバックに入った。
ポイントは最終ラインで数的優位を作られて、2トップで対応難しくなったこと。
それに伴いサイドーハーフが出て行くべきか迷うこと、そして、その後ろのウイングバックに対して、サイドバックとサイドハーフどちらが行くかの迷いができたこと。
レバークーゼンとしてはいろんなところでずれを作り出すことに成功した。
実際に後半の最初はいいシーンを作れていた。
ウイングバックが出てきた裏のスペースを上手く使ってチャンスを作り出すことに成功する。
間違いなくこの形は狙って行ったものだと思う。
ただし、ヴォルフスブルクも時間の経過とともに対応する 。
左はビクトルのプレスバックでサイドバックが裏を埋める形で対応。
右はムバブが出て行くが、裏のスペースを消しながら寄せるので、コースがなく、抑え込むことに成功。
対応力は見事であった。
ヴォルフスブルクの追加点は、中盤への縦パスをカットしたところから始まるが、元はと言えばムバプのところが詰まって、後ろに戻したところからである。
4点とった後に1失点してしまったが、ヴォルフスブルクは試合を通して、終始安定した守備を見せていた。
非常に見事であるし、逆にレバークーゼンとしてはビルドアップの課題が出てしまったのかなと思う。
ただ途中のシステム変更の狙いとかは面白かったので、見てて非常に勉強になった試合ではあった。
今後もこういう面白い試合があれば、その一部分を切り取ってを書いていきたいなと思います。