プレミアリーグの名将を考察その2
前回のその1の続きからになります
★油分多めなこってり美味クロップ
クロップの代名詞と言われれば、「ゲーゲンプレス」と呼ばれる戦術で、奪われたボールを激しいプレスで即座に奪い返す戦法だ。
他のチームが行うプレッシングとの違いは、圧倒的な走力とスタミナを駆使し、ある種捨て身で相手に襲いかかるくらいの激しさを持ち合わせていることだ。
メディアではよく「ヘビーメタル」と例えられていることからも、クロップ戦術の刺激の強さが伺える。
もう1つクロップの特徴として、親しみやすいキャラクターと抜群のユーモアで選手の懐に入るのがうまいことが挙げられる。
その能力を活かして消耗の激しい戦術であっても、選手のポテンシャルを遺憾なく発揮させている。
そんなクロップの作る料理は、スパイシー、こってり、高火力といったものが連想できるので、中華料理だ。
中華料理のイメージといえば揚げ物と油が多く、味付けが濃い、けど美味しいである。
また、家庭で作るチャーハンと中華料理屋で作るチャーハンでは火力の違いが顕著に出てしうことから、強引なこじつけであるが、クロップの人間性が生み出す火力と中華料理の火力をリンクさせる。
見るものを熱狂させるクロップのハードボイルドサッカーはこってりで美味しい中華料理に例えることとする。
★主婦業が得意なアンチェロッティ
アンチェロッティの特徴は誤解を恐れず言うとすれば、特徴がないこと。
所属するチームのメンバー、チーム状況、ファンやオーナーからの要求、クラブのスタイル等を加味してそれらのバランスをとりながら結果を出すということに非常に長けている。
自分の色を出してチームのカラーを変えるのではなく、そこの環境に適応し与えられた条件で戦うのだ。当然スター選手をまとめる人身把握術にも優れている。
そんな彼の采配は、冷蔵庫に入っている食材だけで、誰もが満足する美味しいものを作るということに似ている。
食事を提供する相手が、無理難題を言ってきたとしても持ち前のバランス感覚で上手く調理するのである。
行くチームごとに、攻撃的に振舞ったり守備的に振舞ったりすることができるアンチェロッティは、ある食材で最善の策を練れる「最強の主婦」といういうことにしておく。
★日本人に愛される職人ファーガソン
マンチェスター・ユナイテッドで数多くのタイトルを獲得したファーガソンといえば、
「ヘアードライヤー」と呼ばれ、チームの中心選手であっても容赦なく怒鳴り散らし、スター選手にも有無を言わせない厳格な管理を徹底する傍ら、生え抜きや若手の選手を重宝し、彼らを一流の選手に育てるやり方で結果を残してきた。
また、戦術はイングランド伝統の4-4-2を好み、シンプルなサイドアタックからの攻撃を重視、どちらかというと、緻密な戦術を敷くよりかは、選手のポテンシャルを活かす戦い方であった。
これらを踏まえると、ファーガソンは寿司職人である。
寿司は常に新鮮なネタを仕入れて、それをお店で厳格に管理していることから、若手と管理というファーガソンのキーワードを合致する。
提供の仕方も複雑な調理をするのではなく、素材の味を引き出すことがメインなので、こちらも類似点である。
というわけで、稀代のタイトルホルダーのファーガソンの采配を料理に例えると、我々日本人が愛しているお寿司といことになる。
以上がプレミアリーグの名監督達の違いを、料理にたとえたものである。
正直、強引に無理やり例えている部分はあるので、正しいかはわからない。
ただ、それぞれの料理に好き嫌いがあるように、サッカーのスタイルに関しても、正解も不正解もなく、あくまでも好みの問題であるということが言えればいいですかね。