アーセナルVSブライトン戦の雑感その1 サカのインサイドハーフとゲンドゥージのアンカー
いやーブライトン戦はほんとに後味が悪かった。
レノが負傷して、最後の最後にそのレノを負傷させたモペイに決められるというグーナーとしては心の底から発狂したくなるゲーム。
正直、分析のために2度見するのは非常にしんどかった。
ただ、見返すと今節のアーセナルの戦術は今後成熟すると非常に面白くなるなという予感があった。
というわけで今回はアーセナルの新しい戦術と今後の課題について簡潔に書いていきたいと思う。
★サカのインサイドハーフ
今節1番の注目ポイントと言ってもいいサカのインサイドハーフ起用。
中盤のつなぎ役というよりは、サイドに流れてサイドハーフ的に振る舞う狙いで、
昔アンチェロッティ率いるレアルマドリーでディマリアがやっていたのと少し似ている。
いわゆるディマリアロールである。
最初からサイドハーフの位置にいると、相手のサイドバックにケアされてしまうので中から外に出てくるというのがポイントである。
そのサカをサイドに出すためにアルテタが仕込んだ戦術が素晴らしい。
左サイドバックのコラシナツはあえて高い位置を取らないで、相手の前線を引っ張る。
ここでどれだけ引っ張れるかがポイントである。
その上でオーバメヤンが中に入ることで、ストライカー的にも振舞えて、かつサイドバックを引っ張ることもできる。
そんな感じで中盤でサカが浮くことができていた。
今後この形が成熟すれば、突破とクロスがいいサカをより活かすことができる。
その2で触れるが右サイドのベジェリンは中に絞ることが多かった。
★ゲンドゥージのアンカー
この試合ジャカとトレイラが欠場ということで、ゲンドゥージアンカーに入っていた。
タイプ的にゲンドゥージはアンカー向きではない。
ただ、この試合は今後経験を重ねていけば、なしではないなという印象。
ゲンドゥージは幅広く動き周り、かつ運べて縦パスを入れることができる。
この試合は、ボールサイドに寄ったゲンドゥージが起点になってサイドチェンジみたいな流れも多かった。
いわゆる移動型の配給タイプである。
今まであんまりいないタイプではあるので面白いかもしれない。
ただ逆にマイナス面もあった。
まず守備で、ポジショニングがあまりよくない。
アンカーの守備はまず第一に中央のフィルターになることであるが、ゲンドゥージはボールにつられて動いてしまうことも多く縦パスを簡単に許す場面が多かった。
コースを切る守備がうまくないのは前からの課題であり、アルテタの元でやる以上、今後高めていく必要がある
また、ディフェンスラインからパスを引き出すプレイもあまり良くはない印象。
この辺はトレイラが非常に良くて、要は最終ラインがボールを持った時にパスを入れやすい角度と体の向きを作るということ。
例えば上の図だとムスタフィがボールを持った時に、プレスに行く選手の背中で消されてしまっている。
この場合はムスタフィにボールが入る前に、ある程度消されないところにポジションをとる必要があるが、ゲンドゥージはそれが遅い。
これだとリンクマンも役割は難しくなってしまう。
まとめると、ゲンドゥージのアンカーは中央でどっしり構えるタイプではないが、移動型の配給プレーヤーとしては非常に面白そうだなという印象。現時点ではベストな選択とは言い難い。
その2に続く