マンチェスター・シティVSレアル・マドリード シティの周到なハイプレス
マンチェスター・シティとレアル・マドリードの試合はレアルの2度のミスを見逃さなかったシティが2−1で勝ち、コロナ中断前に行われた第1戦と合わせても合計4−2で勝利し準々決勝に駒を進めた。
この試合のポイントを挙げるとすれば、レアルのキャプテンセルヒオ・ラモスの不在とシティの練り込まれたハイプレスである。
今回はシティが周到に用意してきた狙いについて少し触れたいと思う。
★スタメン
シティのいきなりのサプラライズとしてフォーデンの0トップ起用。
恐らくプレスのスプリントと中盤で数的優位を作りつつ、前線のスペースを空けることが狙いで、いずれにせよ運動量が求められていたことは間違いない。
レアルに関しては先程も記述したが、キャプテンラモスの不在が痛すぎた。
ビルドアップでの展開力と運び出し、流れを呼び寄せる強気なディフェンス、そしてバタバタしているときに落ち着かせるキャプテンシーはこの試合何よりも必要であった。
★シティのハイプレスと1つ飛ばしのパスが出せないレアルの最終ライン
シティのプレスはフォーデンがカゼミーロのコースを遮断し、スターリングとジェズスがサイドバックを見つつも、センターバックに圧をかけていく形である。
あとはインサイドハーフと最終ラインが随時自分の対面を潰していくという流れである。
シティの1点目はまさにこの形が的中。
出すところがなくなり詰まったヴァランからジェズスがボールを奪ったもので、フィードはそれなりに出せるが、展開力や打開力が乏しいヴァランの弱点をもろに突いた形である。
このシティのプレスの形だと、サイドバックが浮くことが多くなるが、レアルの最終ラインとキーパーのクルトワが1個飛ばしのフィードを蹴ることができないので有効活用はできなかった。
また、隙あらばウォーカーがサイドのスペースを制圧してくるのでそれが脅威になっていた可能性が高い。
なんにせよシティの計算されたハイプレスの前にレアルのビルドアップは窒息してまっていた。
★シティ攻撃の狙い
レアルのプレスはウイングを少し落としてかつハーフスペースケアをさせ、ベンゼマの横にはクロースが後ろから出てくることが多かった。
またアンカーのロドリに対してはモドリッチが潰しにきており、インサイドハーフを上下動させる守備であった。
そうなるど空いてくるのはそのインサイドハーフの背後である。
デ・ブライネの巧みな動きで上手くそのスペースを使えており、シティの方が組織的なオフェンスができていた印象である。
恐らく戦前からそこを突いていこうというよりは、試合中に上手く対応した可能性の方が高い。
逆に最初から狙いがあったなと感じるのは、フォーデンが落ちてきて中盤で数的優位を形成、その上で、センターバックとサイドバックの間をスターリングとジェズスが徹底的に狙っていた。
特に右サイドはデ・ブライネも積極的に絡んでくるので、スターリングが選手間をブレイクする場面が多々あった。
それでも大崩れすることなくしっかり耐えれるレアルの古個々の守備力の高さはさすがであった。
その後、同点に追いつかれ、接戦に持ち込まれるが、追加点と的確な采配と的確なゲーム運びでレアルをいなし続けたシティの勝利。
ラウンド16のカードとしては非常に勿体無いビックカードであったが、盤石なプランがあったシティが1枚上手だった試合であった。