CL優勝監督を料理人に例えると
現在、現役でチームを率いているCL優勝監督は全部で6人。ルイス・エンリケ、ジダン、モウリーニョ、グアルディオラ、アンチェロッティ、クロップでその内、ルイス・エンリケとジダン以外は全てプレミアリーグの所属である。
プレミアリーグがどれだけ群雄割拠なリーグであることが伺える。
毎年開催されているのにも関わらず、現役の優勝監督が6人しかいないのは驚きであるが、その監督たちもそれぞれ違うスタイルで仕事に取り組んでいる。今回はその違いを料理人に例えて書きたいと思う
★高級フレンチ〜グアルディオラ
グアルディオラの監督してのスタイルは至高の戦術で見たことない美しさを追求すること。
要するに、誰にも真似ができない最先端の戦術の使い手。
料理人に例えると、最高の腕を持っていて、最高のレシピを知っているということ。
その最高の料理を作るには最高の食材が必要になってくる。普通にスーパーで売ってる食材では成り立たない。
グアルディオラのサッカーにはそのサッカーに合う選手を揃えなければ成り立たない。
そういうわけで、グアルディオラ最高の食材で最高のフレンチを作る料理人である。
★極上のカレー〜モウリーニョ
現在スパーズを率いるモウリーニョはポルト時代とインテル時代に優勝を経験している。
モウリーニョの得意のサッカーは簡単に言うと、相手の嫌なところを消した上での堅守速攻スタイル。モウリーニョのすごいところは、やっていることは至ってシンプルであるが、それを全選手に徹底してやらせること。
料理人に例えると、どれだけ高級な食材を使っても、作るのは誰もが食べたことがあるカレー。カレーも普通の食材よりも高級な食材を使った方が当然美味しい。
モウリーニョは高級食材で作るカレーを作る料理人である。
★脂分多めでこってりのクロップ
リバプールで一番最近CLを制覇したクロップの得意のスタイルはプレスをガンガンかけて相手を窒息させるスタイル。美しさよりは熱さと激しさを重視したヘビーメタルなサッカー。
その分選手の消耗も激しい。
料理で例えるなら、クロップのレシピはズバリ中華料理。
中華料理は味が濃くてスパイシーで美味しい。ただ脂分は多くて、体にはよくない。でも美味しい。
どんな食材が来てもクロップは中華料理に変えて濃い味仕上げてしまう。それが病みつきになる。
クロップは中華の料理人である。
★あるもので間に合わせるアンチェロッティ
ミラン時代とレアル時代に優勝経験があるアンチェロッティは逆にこれだというスタイルは持ち合わせていない。
また、ミラン時代もレアル時代もオーナーが現場に介入してきて起用方にも何かといちゃもんをつけられながらもそれでも結果を残してしまうのは流石である。
要するに与えられた条件で最善を尽くしバランスを取るのに長けた監督である。
料理で例えるなら、冷蔵庫にあるものを全部使い切ってちゃんと美味しいものを作れる人。この食材とこの食材がないと作れないではなく、あるもので間に合わせてしまうのが彼のスタイルである。
料理人というよりは家庭料理とプロと言える。
★食材の質を活かす寿司職人ジダン
レアルでCL3連覇を成し遂げたジダンの監督としてのスタイルは戦術で選手を縛るのではなく、抜群のカリスマ性を活かして、選手のモチベーションを高めていくことである。
要するに選手の力をいかに発揮させるかに焦点が置かれている。そのためのマネージメント力がジダンにはある。
レアルには元々世界最高峰の選手が揃っている。料理で例えると、そのまま食べても美味しい最高級の食材が揃っている。
その食材の鮮度が落ちないように、料理するときもなるべくシンプルに食材の質を活かす形。
料理人で例えると、ジダンは仕入れでほぼほぼ決まる寿司職人である。
★途中で変更ルイス・エンリケ
バルサ時代にMSNを要してCL制覇を達成した現スペイン代表監督のルイス・エンリケだけ少し例外。元々バルセロナの監督になる前のセルタ時代やローマ時代はそこまで際立った成績は残しているわけでなく、こういうスタイルという確固たるものが少し分かりづらい。
思考しているのはポゼッションサッカーに規律を導入したものであるが、バルサでも最初はやろうとしていが、シーズン途中からMSNを活かしたカウンターサッカーに切り替えての成功だである。
要するに料理で言うと最初はこれを作ろうとレシピがあったわけであるが、食材があまりにも高級すぎて、その食材あまり調理しすぎないで素材の味を活かした形に切り替えた形である。
料理でもこのままだと美味しいものは作れないなという時に、作るものを変更するということはたまにあると思う。
それを料理人で例えるのは難しいのでルイス・エンリケだけは少し例外とした。
★まとめ
選手に色々なスタイルがあるように、監督にも色々なタイプがある。料理人に例えるのは少し強引な気もするが、私が捉えているイメージとしてはこんな感じである。
他にも育成が得意な監督がいたり、まだまだ触れていないタイプの監督も存在するので、監督も奥が深いなと感じてもらえればいいかなと思う。