サッカー 守備について適当に語るブログ

サッカーについて適当に書きます

09/10シーズンCL準決勝 インテルVSバルセロナ 偽9番の布石となった試合

 今回もDAZNの過去の試合から09/10シーズンのCL準決勝インテルVSバルセロナについて。

このシーズンはモウリーニョインテルの2年目のシーズンで、タイトルを総なめにし、後に低迷することになるインテルが絶頂期を迎えてた時期である。

シーズン前にエトーイブラヒモビッチのトレードがあったり、後に壮絶なライバル関係になるモウリーニョグアルディオラが初めて対戦したシーズンであったり覚えてる人は結構多いと思う。

ちなみに両チームはグループリーグでも対戦しているため初顔合わせは済んでいる。

 

また、インテルでCLを制覇したスナイデルが、この年に行われた南アフリカW杯でも決勝に進出するが、バロンドールを逃したことで、物議を醸した。(この年のバロンドールはメッシ)

 

DAZNの過去の試合を見て、意外と記憶と違っているなと思うことが多いが、この試合に関しては全くそうならなかった。

当時思っていたことは、「インテルの守備が固すぎる」ということで、それは今回見た印象と全く同じであった。

とにかくインテルは堅い

ただ今回は、若干視点を変えて当時最強の攻撃力を誇っていたバルセロナがなぜこんなにやられたのかを考察したいと思う。

 

★スター選手も守備させるモウリーニョ

インテルのやっていることはいたってシンプル。

深めの最終ラインを設定して、その前にしっかりブロックを作る。そしてシンプルに裏を狙う。よくある堅守速攻である。

ただ堅守の強度が桁違い。モウリーニョエトーパンデフスナイデルも守備に参加させる。特にサイドハーフエトーパンデフは時には最終ラインまで下がらせ、6バックを形成するときもあった。

スナイデルに関しても、中盤の前で、ブスケッツ、シャビを消すタスクをしっかり実行していた。

最終ラインは抜群の集中力でことごとく縦パスを潰し、中盤のカンビアッソチアゴ・モッタはメッシを封じ最終ラインの前の防波堤になっていた。

 

バルサの攻撃

まずバルサはこの試合イニエスタの代わりにケイタが起用されており、結果的にそれが非常に痛かった。

で恐らく、バルサイブラヒモビッチが降りてセンターバックを引きつけたところメッシが使うという狙いであったと思う。

ただ、後にモウリーニョがそこは徹底的に対策したと証言もしており、自由にさせてもらえず、中盤い降りてくることが多かった。

その結果

バルサの攻撃はまずイブラヒモビッチが最前線でインテルセンターバック2枚を相手する。

・メッシはトップ下の位置から中盤に降りてくる。要するにインテルの中盤の前で受ける。

・ペドロは右サイドで横幅を取り、タイミングを見てハーフスペースに入ってくる。

・ケイタは左のハーフスペースにいるがメッシ、シャビと被り気味になりなんとなく居場所がなくなる。マクスウェルもあまり高い位置は取らないの左サイドの横幅をとる人がいなく左右非対称の形になる。

というのがバルサの攻撃の形になる。

 

インテルの最終ラインは深い位置を取っている割に、中盤はバルサの中盤と降りてくるメッシにもプレスをかけるので、最終ラインと中盤の間はスペースが空くことは多々あった。当然プレスバックは鬼早い。

イブラヒモビッチが中盤と最終ラインの間でパスを引き出すが、ルシオとサムエルが前に出てきてつぶされる。まずこの時にイブラヒモビッチのフォローに入る人がいないのと、釣り出したセンターバックの裏を狙っている人が誰もいない。

本来この位置でプレーさせたいメッシは中盤の配給に加勢しているので、結局イブラヒモビッチが孤立している状況である。

 

メッシ、シャビ、ブスケッツ、ケイタの4人でインテルの中盤を超えていければいいのだが、ウイングの位置で横幅を取る選手がいないので中を固められてしまうというわけである。

特にエトーなんかはサイドハーフであったが相当中に絞って守備をしていた。

誰かがウイングの位置で開くことによって、当然対峙するサイドのディフェンスも開かざるをえない。そうすることで中でのプレーがしやすくなる。

この試合のバルサの左サイドは死んでいたので当然中は狭くなるという理屈である。

仮にケイタが左サイドの横幅を取るとどうなるか。今度はメッシがインテリオールとしてパスを出さないといけなくなりゴール前に置けなくなる。

 

この試合のバルセロナのダメなポイントは2つ。

横幅を取る選手がいないこと、メッシとイブラヒモビッチのプレイエリアが被っていたことである。

 

イブラヒモビッチを諦めたグアルディオラ

イブラヒモビッチも後にこの試合の調子は良くなかったと認めている。もしイブラヒモビッチルシオとサムエル相手に問題なくボールを収めることができれば、この質的優位を活かす攻めが組み込まれたかもしれない。

現にこの前のシーズンのCLのチェルシー戦で堅めてくる相手にどうにならなくて、それを打開する切り札としてイブラヒモビッチを獲得したのではないかと言われている。

ただグアルディオラはよりポジショナルな形で戦うことを選択した。

後半途中に、イブラヒモビッチに替えて左サイドバックアビダルを投入して、マクスウェルをウイングにあげて、メッシを最前線にあげる。

狙いは明白でマクスウェルに横幅を取らして、メッシのゼロトップである。

ただメッシが空けたスペースをあまり生かすこともできず、さらに守備モードに入ったインテルがさらに中を固めてこともあり、メッシが降りての中央での数的優位も作ることができなかった。

いくらバルサといえど付け焼き刃でプレーするのは難しかった。

このシーズンにグアルディオライブラヒモビッチをサイドで起用するよう試みているものの、イブラ本人が中でのプレーを希望したため、こういう歪な感じになったんかなとは思う。

 

今でこそグアルディオラのチームはガチガチに引いてくる相手に対してポジショナルプレーで対応し、選手の立ち位置等で優位を取れるようになっているが、この時はまだ発展途上であったんだなと改めて感じた。

 

このよくシーズンにメッシの偽9番を本格的に導入し、CLのタイトルを奪還しているため、この試合はもしかしたら導入の布石になったのかなと勝手に思っている。

ただ前シーズンからエトーに横幅を取らせたり、ちょいちょいやってはいたが本格的導入するのは次シーズンからである。

 

ということで長文になったが、先述の変遷みたいなもの感じた試合であった。