バイエルンVSボルシア・メンヘン・クラードバッハで感じたデイビスの守備をしない守備の怖さ
今節バイエルンはミュラーとレバンドフスキが累積で欠場で、相手はCL圏内のBMG、さらに左サイドバックのアルフォンソ・デイビスがベンチスタートということでもしかしすると番狂わせがあるかなと思っていた。
結果はBMGもチャンスを作れていて、終了間際まではよく戦っていたが、結局要所を締められて惜敗。
ミュラーは常に相手の嫌がる場所に入ってくるが、この試合は単純にボールのだし所がない場面が多々あって、バイエルンのパス回しの循環が悪かった。
そういう意味で今のバイエルンにとってミュラーは替えが効かない存在なのかもしれない。
で、前置きが長くなったが、今回はデイビスいないのも相当なんじゃないかという話である。
この試合は後半途中から出場しており、いる時といない時の対比をしやすい状況だったということで、デイビスの存在感について書きます。
★守のリュカと攻撃のデイビス
リュカはセンターバックもできる選手だけあって守備力は高い。
ポジショニングも全然悪くない。
ただちょっと冒険はしない印象。
ビルドアップ時は比較的低めにいることが多かった。
相手のSHが前にいるので奪われた時のリスクを考えれば、このポジションは悪くはない。
アラバがビルドアップ能力を最大限に発揮できていたかというと微妙である。
守備時も割と堅実に中を締めていた。
一方のデイビスはまあ高い位置を取る。
背後のスペースも普通に空いているのだが、攻撃でも守備でも元々サイドバックのアラバがそこを埋めることができるという利点がある。
そもそも、守備時そこを使われても自慢の快速で背後から追いついてしまう。
それがあるから裏のスペースがあまり怖くないというのが魅力である。
それができなくてもアラバがこの位置にスライドして埋めてくれるし、そこで普通に奪えるのだ。
MG戦のアラバのポジション二ングを確認して見ると、デイビスが出てきてから、アラバはかなりサイドに流れていることがわかる。
オフェンスも同じでデイビスが高い位置を取ることで、アラバが使うスペースを確保できるのである。
アラバはパスも上手いが運ぶドリブルもめちゃくちゃ上手い。
リュカと組んでる時より、デイビスと組んでる方がアラバのプレイ選択の幅が広がっているのだ。
さらに、デイビスが前に出ることで、相手も警戒して下がらざるを得なくなり、結果的に押し込めるようになる。
デイビスが守備の穴を作っているが、逆にそれが相手を下げて、結果的に守備をしていると流れだ。
前にも書いたが、センターバックアラバを活かしているのはデイビスだと思っている。
そんな感じで、デイビスもバイエルンの重要選手になりつつあると感じた。
守備的に振る舞うだけが守備ではないというサッカーの奥深さを改めて認識した試合であった。