ナショナルチームがタイトルを獲るには〜移植するかシンプルにやるか才能でねじ伏せるか
ここ最近のサッカー界では、クラブレベルでは面白い戦術がどんどん生まれ、常に進化している。ただチームに戦術に落とし込むにはそれ相応の時間がかるし、ペップのシティですら、一年目は成績が振るわなかった。
それを顔を合わせる機会が少ないナショナルチームで再現するのは非常に難しい。
まあただ、クラブと違ってある程度自分の好み選手を選ぶことができるメリットあるが、それでも連携をとるのは難しい。
それを考慮すると、ナショナルチームで国際舞台で結果を残すとなるとある程度きょうかパターンが限られてくる。むしろ個人的に3つしかないと思っている。
今回はそれを紹介したいと思う。
★国内の強豪チームの中心選手を多く起用し、戦術をそのまま移植する方法。
最近これが割と多い。ユーロとワールドカップを制覇したスペインがまさにこれで、当時全盛期だったペップバルサの選手を多く多用し、代表でもその戦術を活かした。メンバー的には半分くらいはレアルの選手もいたが、屋台骨を担ったのはシャビやイニエスタやブスケッツである。
ブラジルワールドカップを制覇したドイツもこのパターン。
バイエルンの選手を数多く起用し、これまたペップバイエルンの戦術を代表でも取り込むことに成功する。
後は、タイトルこそ取れていないが、ユベントスのセンターバックトリオBBC(バルザーリ、ボヌッチ、キエッリーニ)をそのまま移植したユーロ2016のイタリア代表もこのパターン。
この移植戦法のメリットは代表で難しいとされる戦術の浸透をクラブでできるということ。そして連携が十二分に取れているということ。今後も自国のリーグに絶対的なチームがある国は採用しそうなやり方である。
★シンプルにやる
高度な戦術には取り組まず、守備をブロックを整え選手にハードワーク徹底させて、負けない試合運びをするやり方。
大エースを擁している場合は、そのエースが点取ってくれる。ポルトガル、ポーランド等
ヨーロッパのチームはほとんどがこのやり方。時間がないなかで、できることを徹底して攻撃はどちらかというと、前の器量に任せるやり方。
ロシアワールドカップを制覇したフランスがまさにこのやり方。
スター選手にもハードワークを徹底させて、ブロックをしっかり作り勝機を見出す形。
やることがシンプルな分浸透するまでに時間がかからず、選手が各国リーグに別れてしまっているチームは概ねこうする。
★才能でねじ伏せる。
戦術が全くないわけではないが、基本的にはクオリティの高い選手を並べてある程度自由にやらせて質で殴るパターン。
ブラジル代表がこれ。
彼らは1人1人の個人戦術レベルが高いので、ピッチ上で自在に戦い方を変えることができる。
監督としては、戦術を練るというよりはモチベーションを上げて選手の能力を引き出す方が向いている。
で、現在の日本代表もこのパターンである。
前線のレベルが高くて彼らを自由にプレーさせることで試合を成立させている。
ただこのやり方は大前提として選手の個が相手より上だということ。そうじゃなきゃ通用しない。あまり最近は見られなくなっている。
日本代表はどうなることやら。
以上の3つがナショナルチームを強化するやり方である。
クラブと違って自由が利かなく、時間がない分とても難しい仕事である。
それでもクラブにはない国の誇りをかけた熱さがある。だからナショナルチームの大会は面白いのである。