下馬評が高かった最近のナショナルチームの傾向とイングランド代表ユーロ2021への期待その1
スリーライオンズことイングランド代表の期待値が日増しに高まっている。
2018年ロシアワールドカップで久しぶりのベス4進出と躍進したメンバーに、新しく有望な若手も台頭し、新型コロナウイルスの影響で延期になったユーロ2021年制覇も現実味を帯びている。
個人的にもここ数年で1番イングランド代表の予想スタメンを考えている時間が楽しい。それだけ代表で見てみたい選手が多いのだ。
しかし、ナショナルチームというのはクラブチームに比べて、普段顔を合わせる機会が少なく、連携を高めたり、戦術を浸透させる事が難しく、タレントがいるだ けでは勝てないのが現実である。 チームが本番を迎えるとあっさり負けてしまうといのは、よくある事である。
それではサッカーの母国が久しぶりの国際タイトルを勝ち取るにはどのように戦えばいいのか。
ここ最近のワールドカップ及びユーロを振り返ると、結果を残しているチームの特徴は大きく分けて2パターン見受けられる。イングランド代表がどちらのパターンに当てはまるか考えたいと思う。
★ビッグクラブ移植型
まず1つ目が国内の上位チームの主軸をそのまま代表でも起用し、戦術をそのまま移植してしまう形だ。
2010年の南アフリカワールドカップ制覇とユーロ2008、2012の連覇を達成したスペイン代表が正にこれである。
当時のメンバーはリーグ戦で覇権を争うバルセロナとレ アル・マドリーのメンバーが中心に選出されていたが、中軸を担ったのは2008年から2012年にかけて当時ヨーロッパを魅了していたバルセロナの選手たちだ。
ジョゼップ・グアルディオラ監督の下「ティキ・タカ」と呼ばれるパスサッカーの屋台骨を担っていたシャビ・エルナンデス、アンドレス・イニエスタ、セルヒオ・ブスケッツの中盤は代表でもクラブと同じようにタクトを揮い戦術をそのまま移植することに成功する。
バイエルン・ミュンヘンの選手を数多く起用して、2014年のブラジルワールドカップを制覇したドイツ代表このやり方に当てはまる。
バルセロナを退任した後、2013年にバイエルンミュンヘンの監督に就任した グアルディオラ監督は、ドイツの強豪でもクリエイティブな戦術を落とし込むことに成功する、
それがナショナルチームの強化にもつながり、以前まではカウンター志向であったチームがポゼッション型チームに生まれ変わる。
それを可能にしたのはフィリップ・ラームやトニ・クロースを筆頭したバイエルン兼ドイツ代表の面々である。
この”移植型”のメリットは、守備戦術に比べ浸透に時間がかかるとされる攻撃戦術を効率よくチームに落とし込む事ができる点である。
また、中心選手が変わらなため、戦術や連携も普段のリーグ戦で高められるのも大きい。
ただしこれは、国内に多くの選手を代表に供給できるいわゆるビッククラブが存在し、かつ呼ばれた選手が代表の主力を担う実力者でなければ成立しない。
有効なやり方ではるが、発動の条件が難しいというわけである。
その2に続く