下馬評が高かった最近のナショナルチームの傾向とイングランド代表ユーロ2021への期待その2
前回のその1に続き引き続きナショナルチームとイングランド代表について
★シンプル・イズ・ベスト型
2つ目が、どちらかというと守備に重きを置き、ハードワークやブロックの構築に時間を割くいわゆる負けないサッカーである”シンプル・イズ・ベスト型だ。
代表的な例で言うと、ユーロ2016を制覇したポル トガル代表、2018年ロシアワールドカップを制覇したフランス代表がこのやり方だ。
複雑なシステムや戦術にはあえて取り組まずに、シンプルな戦い方を徹底することで、選手の迷いをなくし、時間が限られているナショナルチームではそれが非常に理に適っている。
また、必然的にカウンターが多くなり、場合によっては少ないチャンスをものにしなければ勝てないという試合も増えてくる。
そんな時は大エースやスピードスターの力が必要になる。
ポルトガル代表には大エースクリスティアーノ・ロナウドがいて、フランス代表にはスピードスターキリアン・ムバッペがいた。
前線にスーパースターがいるチームは特に「守るんで後はよろしく」戦法が有効である。
”シンプル・イズ・ベスト型”はやることは非常にシンプルなので、戦術の浸透に時間がかからないのがメリットである。
★中途半端は避けたいスリーライオンンズ
イングランド代表はどとらのやり方で行くべきか。
イングランド代表の最新メンバーがこちらである。
イングランド代表
▽最新メンバー一覧(19年11月7日発表)
GK
DF
フィカヨ・トモリ(チェルシー)
タイロン・ミングス(アストン・ビラ)
MF
FW
カラム・ウィルソン(ボーンマス)
監督
”移植型”に関して、同じチームからの最多の選出がチェルシーの4人である。ただし大半が今年ブレイクした選手で、まだ経験が浅くチームの主軸を任せれるかというと微妙である。
現在プレミアリーグで覇権を争うマンチェスター・シティとリバ プールの戦術を取り入れるとしたらどうなるか。
リバプールのキャプテンジョーダン・ヘンダーソンがいるが、戦術を起動ための他の実力者たちはは各国の代表チームに散らばっている。
マンチェスター ・シティも同じようにラヒム・スターリングがいるが、ケビン・デ・ブライネもダビド・シルバもいないので戦術をコピーすることは不可能に近い。
ユーロの開催が来年であるため、夏の移籍市場で、どこかのチームが多くのイングランド代表選手を抱える可能性も考えられる。
また、若いイングランド人が多く所属するチームの選手達が1年で一気に覚醒する可能性もありうるが、逆にそれらが起こらなければ移植型”を行うのは難しそうだ。
次に”シンプル・イズ・ベスト型”であるが、大エース候補としてトッテナム・ホットスパーのハリー・ケインがいて、スピードのあるマンチェスター・シティのラヒム・スターリング、マンチェスター・ユナイテッドのマーカス・ラッシュフォードらがいるため、条件としてハマる可能性は高い。
しかし、イングランド代表は特に前線のタレントが豊富で、守備的に戦うのは非常にもったいない。
個人的にも、若くて才能がある選手達で攻撃的なサッカーを見たいという願望もあるし、同様に感じているファンも数多くいるのではないか。
その反面、準備期間が少ない中で攻撃的な戦い方で、紀律のある相手を崩せるかは未知数であるのも事実である。
1番よくないのは豪華なメンバーを並べたはいいが、なんとなくチグハグなまま、気づいたら敗退してたということである。
勝てるチームを作るのために、サウスゲート監督がどのように折り合いをつけるかが非常に重要であり、中途半端は避けたいところ。
”シンプル・イズ・ベスト型”で勝利が保証されるわけではないが、過去のパターンを考慮すると採用するメリットはあると言える。
★まとめ
要するに、タレントが豊富だからと言って色気を出しすぎるよりかは、現実的なサッカーをする方が勝てる可能性は高いんじゃないかと言いたいわけである。
しかし、現在のイングランド代表は非常に若いため、1年後どれだけ成長しているかは全く予想できない。
20年近く前で今のトレンドとは少し違うかもしれないが、2002年の日韓ワールドカッ
プのブラジル代表は前線の攻撃力を前面に押し出したサッカーで優勝を成し遂げている。
”ヤングスリーライオンズ”が彼らのようにならないとは限らない。
むしろプレミアファンとしてはそうなることを期待している。