CL ローマVSバルルセロナで思い出した2点差の難しさ
毎度のDAZNのクラシックマッチからブログを書きたいと思います。
今回は2017/2018シーズンのCL準々決勝2ndレグASローマとバルセロナの一戦から。
この試合は、1stレグでバルセロナがホームで4−1と圧勝したが、2ndレグローマにまさかの逆転を許した試合である。
後が無いローマはバルサ相手に前半からハイプレスを決行し、ビルドアップを遮断しロングボールを蹴らして回収。
攻撃もジェコにシンプルにロングボールを入れて、フィジカルでごり押しという形。ローマはバルセロナの苦手とする戦い方を90分遂行し、それに対してバルサは為す術もなく負けたという試合である。
この試合、戦術的にも素晴らしかったわけであるが、個人的にポイントとなったのは3点が必要なローマが早々と1点とって2点差としたことだと思う。
サッカーは2点差が一番危険と言われることは多々あるが、実際、理屈的にはそんなわけはなく、余裕をもって戦える点差である。本来なら。
で、2点差の何が危険かというと、3点目を狙って勝負を決めに行くか、試合を落ち着かせて2点差を維持するかどうかチーム内で意思を統一することが難しいところである。
サッカーはどれだけ集中していても、事故であっさり入れられることはあり、早い時間で1点差だと追加点が必要だということはなんとなくわかるであろう。
2点差あるとそうはなりにくい
当たり前だが、2点差と1点差では気持ちが全然違う。
結果的に様子を見ようというどっちつかずな感じになってしまうのが非常に多い。
3点目を取りに行くには当然リスクを犯さないといけないので、基本的には様子を見て2点差を維持するのがセオリーである。
バルセロナの場合前線のメッシとスアレスを守備ブロックに組み込めないので、引きこもって守りきるということは難しく、3点差を守りきるよりアウェイゴールを奪って試合を決めに行く方が適していたはずだ。
実際開始早々、バルサはセルジロベルトのシュートでアウェイゴールを奪う姿勢は見せていた。
しかし、ローマがすぐに先制する。この1点は非常に大きい。ハイプレスを継続するためのアドレナリンが出て、チームに勢いがつくと同時に、バルサとしては難しい2点差の戦いを強いられることになるからである。
仮にこの失点がなければ、バルサが落ち着きを取り戻せたかもしれないし、ローマの勢いが落ちたかもしれない。
恐らくバルサも、ローマのプレスがきついことと、ロングボールを蹴っても意味がないことはすぐに気付いたはずである。
ただ、時間帯的にもチームのスタイル的にも引いて守りきることはできない。
勇気を出してハイプレスを剥がすしかなかったはずだが、2点差になったことでリスクを冒しにくくなってしまった。
前半、仮にローマにもう1点入っていれば、ハーフタイムにこのままではまずいから攻めようと具体的な策を練ったかもしれないが、偶然2点差のまま折り返してしまったため、修正もせずそのまま後半に入ってしまった印象である。
頭ではこのままではよくないと認識しているが、1点差にされたくない気持ちもあるため、とりあえず様子を見るといったところか。
結局、一番修正が効くハーフタイムで特に変えられず、後半早々と2点目を決められてしまい、流石に前に出るが壁は破れず、守備に入ろうとしたところで3点目献上。
一番やらたくない展開をやられてしまった。
2点差が続いたからということは戦術的なことではなく、心理的なものであるため、実際プレーしていた選手がどう思っていたかは不明である。あくまで個人的な想像の域を出ない。
しかし、この試合を通して、2点差の一番怖い部分である「どのように意思を統一するか」それを思い出させる試合であった。