ライプツィヒのハイプレスをかけない守備のメカニズムとハイプレスを選択しなかったことを考察
今シーズンのナーゲルスマン監督率いるライプツィヒは相手に合わせてシステムや戦術を変えることは有名である。
前回ライプツィヒの記事を書いた時は4−2−2ー2のシステムを運用した際のハイプレスのメカニズムを書いた。
しかし直近に行われたケルン戦はフラットな4−4−2を運用し、得意のハイプレス戦術ではなく、どちらかというと、コースを消して蹴らせて回収する守備を行なっていた。
ライプツィヒが相手のやり方に合わせて自分たちのやり方を変えるのは承知の事実であるが、その基準がどういうところにあるかはいまだに不明である。
そこで今回はハイプレスを選択しない守備のやり方とその基準を考察したいと思う。
★ケルン戦守備の形
まずはライプツィヒのスタメンがこちら
前回のハイプレス時の違いはフラットな4−4−2であること。
ケルン戦の守備の形がこちら
シックがセンターバック2人を見る形で、基本的にはサイドを変えられないポジションを取りあまり寄せることはなかった。
ヴェルナーが中盤のコースを遮断し、高めの位置を取るケルンのSBはライプツィヒのSHが背中で消す感じ。
中盤の2人が上手くボールサイドにスライドすることで、縦パスを通させない。
結果的にセンターバックは前に蹴るしかないというわけだ。
★なぜハイプレスをかけなかったのか
今回の本題であるなぜライプツィヒは前半からハイプレスをかけなかったのかである。
客観的にみてケルンは格上ではない。
バイエルンのように相手が格上であれば、ハイプレスをかけても剥がされるだけなのでまだわかる。
個人的に考えられるのは現時点で3つ。
1つはそもそもケルンがシンプルに長いボールを蹴ってくるチームで、ハイプレスをかける必要がなかったこと。
初めから繋いでこないと分かってたら、わざわざ背後にスペースを作る理由はなく、ロングボールを回収できるポジションを取るのは理にかなっている。
2つ目は前回ハイプレスのメカニズムを書いたマインツは3バックであるのに対してケルンは4バックであり、もしかしたら4−4−2のハイプレスは4バックだと噛み合わせが悪いのかもしれない。
相手が3バックだと、左右のセンターバックにSHをプレスに行かせることができるが、4バックだとそれができない。
もしかするとシステム的に噛み合わせが悪いのかもしれない。
ただしこれはもう少し試合を分析しないとわかりかねる。
3つ目が攻撃面での影響を考慮したということ。
ライプツィヒのハイプレス戦術のコンセプトとして狭く攻めて狭く守ること。
要するに、攻めの形を作りながら守りの形も作るという攻守一体型。
で今回のケルンの守備は4−4−2でライン間をコンパクトに守っていた。
そのケルンの守備に対してライプツィヒのボールサイドに人を密集させてパスコースを増やしていく攻めパターンが通用しないと考えたのかもしれない。
だから、攻撃のやり方を変えるということは守りのやり方も変えざるを得ないということかもしれない。
いずれにせよナーゲルスマン監督は相手の力関係だけで戦術を変えているというわけではないということ。
今回は、申し訳ないが不確か記事になってしまったが、今後ライプツィヒの試合をチェックし続けて、戦術変更の明確の基準を知りたいと思う。