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CL準々決勝 アトレティコ・マドリード VS ライプツィヒ 戦術的に1枚上手だったライプツィヒと攻撃に精彩を欠いたアトレティコ

 チャンピオンズリーグ(CL)の準々決勝、アトレティコ・マドリードライプツィヒ が現地時間13日に行われ、1−2でライプツィヒ が勝利した。

ライプツィヒはエースヴェルナーがチェルシーへの移籍に伴い不在でかつ、CLの経験値でも劣ることから若干アトレティコが有利かなと思っていたが、蓋を開けてみれば内容的にもライプツィヒ が上回った試合となった。

 

今回はそんな強インテンシティ同士の戦いとなった試合を振り返りたいと思う。

 

★両者攻め手を欠いた前半

両者のスタメンがこちら。

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アトレティコはパーティが不在、ライプツィヒは冒頭でも触れたが、ヴェルナーが不在である。

また、システムは攻撃時は3−4−3で守備時は4−4−2に可変する形をとっていた。

 

前半をざっくり振り返るならば、両者ともに守備が効いており、結果ともに攻め手を欠いたなという印象である。

 

アトレティコの守備はお馴染みの横も縦もコンパクトにした4−4のブロックである。

それに対してライプツィヒは序盤サイドにふりながら攻めようとするが、アトレティコサイドバックが出た時のハーフスペースのカバーをサイドハーフボランチが徹底しているので、結果センターバックがつり出されず中が強固であり続けた。

 

また、前線の2人も自陣に戻っての守備を常に要求されているが、ジエゴ・コスタの守備が若干緩かったため、ライプツィヒはの後ろは比較的に自由に配給ができていた。

特にウパメカノの持ち運ぶスキルが非常に高く、攻撃の起点を何度も作っていた。

 

それでもアトレティコはシュートまで行かせない。

 

一方ライプツィヒの守備はシステムを可変させるとは先程も書いたが、さらにライマーとザビッツァーノの位置を入れ替える特徴もあった。

 

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配給能力がそこまで高くないアトレティコの後ろに対してはそこまでプレスには行かず、前線は中盤のコース切りに専念。

ここがまずちゃんと練られていたなと感じた部分である。

 

その後、サイドに流れた時には一気に圧縮しプレスを強めることでアトレティコのビルドアップを封鎖していた。

 

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 ポイントは人を見ないで浮いてる両ボランチがスライドしてスペースを埋めてボールを刈り取る態勢を整えることでライプツィヒの守備と言える。

 

 

★後半修正を施したライプツィヒ

 

後半両者ともにメンバーの交代はなし。

ライプツィヒは前半と比べて中を使う意識を強めた印象。

特に両シャドーのンクンクとオルモが同サイドに寄ってきて、パスコースを増やし、狭いライン間を使っていこうとう狙いが見えた。

 

選手間の距離を縮めてパスの周りが良くなったライプツィヒは先制に成功する。

狭いところで縦パスを受けたポールセンがキープできたことによって、外が空き、クロスからオルモが合わせた形である。

 

この得点どこまで狙い通りなのかはわからないが、アトレティコはクロス対応の時最終ラインが良いポジションをとろうと連動して下がるので、結果最終ラインの前のスペースが空くことがある。

そこにうまくオルモがうまく入ってきた形である。

 

どれだけしっかりブロックを作っていたとしても狭いところに通されてキープされてしまうと、守備が乱れてしまう。

それを体現した形となった。見事である。

 

その後アトレティコジョアン・フェリックスを投入して攻撃の圧力を強める。

それが功を奏しライン間で受けたフェリックスが仕掛け、ジエゴ・コスタとのワンツーで抜け出しだところでPKをもらい同点に追いつく。

 

ポストの上手いコスタがいるので、アトレティコはライン間で受けるプレイをどれだけ再現性持って行えるかが引き続き来季の課題になりそうである。

 

その後延長の雰囲気もよぎったが、ライプツィヒがマイナスのクロスからアダムスが決めて勝ち越し。

この得点も先制点と同じで、クロスに対してのアトレティコの帰陣の速さを逆手に取り、バイタルが空いたところを見事についた形である。

 

狭いスペースの突き方、クロスのディフェンスの前のスペースの活用、ライプツィヒとしてはしてやったりの後半であった。

 

内容的にはどちらにもチャンスはあったが、守備にしろ、攻撃にしろ、ライプツィヒの方が狙いが明確で戦術的に1枚上手だったなという試合であった。