ライプツィヒのハイプレスのメカニズム ブンデスリーガ第27節マインツ戦
今回はブンデスリーガで優勝争いをしているナーゲルスマン率いるライプツィヒについて。
今シーズンのライプツィヒは相手に合わせて、戦い方とシステムを柔軟に変えてはいるが、ナーゲルスマン監督は自分達のサッカーといえばハイプレスと明言しているので、真髄はやっぱりそっちなのかなと。
そのハイプレスが遺憾無く発揮されたのがブンデスリーガ第27節のアウェイでのマインツ戦である。
この試合は5−0とライプツィヒが快勝し、攻撃力も凄まじかったが、何より目についたのはライプツィヒのハイプレスでマインツが完全に窒息していたことである。
そこで今回はライプツィヒのプレスのメカニズムについて書きたいと思う。
★狭く攻めて狭く守るのに適している4−2−2ー2
ライプツィヒのフォーメーションはこちら。
先程もライプツィヒは今シーズン様々なシステムを使い分けていると書いたが、なんだかんだ1番運用している回数が多いのがこの4−2−2ー2という形だ。
ボールサイドに人数を配置し、狭いエリアで極力攻めて、もし奪われた時はそのまま狭い陣形を保ったままハイプレスをかけるというスタイルである。
★守備時の可変
ハイプレスをかけるときのメカニズムについて説明すると、まず大前提としてサイドを閉めて中盤でボールを奪いくというコンセプトでプレスを行なっている。
マインツのシステムは5−4−1で、ビルドアップの時は3−4−3のような形で行うことが多かった。
それに対してライプツィヒの陣形がこちら。
1つずつ説明すると、最前線のポールセンが降りて相手の中盤をケアし、相方のヴェルナーは中央のCBを見て、サイドを変えられない場所に立つ。
サイドのCBにボールが入ったら、二列目のエンクンクまたはオルモが縦を切りながら鬼プレスをかける。
それに伴いボランチの2人が横にスライドし片方は相手WBをケアして、もう片方は
相手の中盤への縦パスをインンターセプトできる位置につく。
図の通り、この時点でボールを持ったCBが出すところがなくなってしまっている。
ボランチに当ててもインターセプトされるし、前のスペースに蹴っても数的優位を作られている最終ラインにカットされてしまう。
この陣形も見事せあるが、ライプツィヒの1番凄いところは、プレスの出足が桁外れに速いこと。
相手ボールになった途端すぐにプレス体制を整えるので、マインツの視野が奪われてビルドアップが完全に窒息していた。
本当に凄まじかった。
★プレスの対象方を考察
プレスをかけられても失わない個人技がある選手が中盤にいれば問題ない。
あるいは前線で鬼のフィジカルで雑なロングボールをキープできる選手がいれば苦しむことはない。
そうでなければ何かしらの策を講じる必要がある。
個人的な案としては2つ考えられるので最後にそれを紹介する。
1つ目はキーパーを積極的にビルドアップに介入させサイドを変えていく戦法。
ライプツィヒのプレスの弱点として、ボールサイドに人数をかけてるため、1度サイドが変わると一気にフリーさせてしまうことである。
ヴェルナーもキーパーへのケアもしてはいるが、完全にマークすることはできないので、キーパーから速やかにサイドを変えれるボールを出せればプレスをはがすことが可能である。
2つめ目が中盤がもっと最終ラインの近くまで降りて、スペースを空ける動きをすることである。
ライプツィヒの中盤がついて来れば、背後のスペースが空くし、ついてこなければ、数的優位を作ることができる。
とりあえずこの圧縮プレスに対応できる策としては個人的に思いつくのはこの2つである。
ライプツィヒの面白いところはこのやり方が無理そうな相手にたいしては普通にリトリートしてくる場面もあるということである。
その戦い方を決める基準がいまいち不明で、どういう時に圧縮プレスを選択するのかが非常に興味がある。
その確認も含めて今後もライプツィヒの試合をチェックしていきたいと思う。