ドイツの新しい皇帝カイ・ハヴェルツの凄さ エジル二世ではない件
ドイツの新鋭として今注目なのがレバークーゼンに所属するカイ・ハヴェルツで、若干20歳にしてブンデスリーガの強豪でキャプテンマークを巻いている。
左利きでかつ創造性溢れるプレーから巷ではエジル二世と呼ばれてたりもして、現在ビッグクラブの注目の的になっている。
実際プレーを確認すると、エジルとはあまり似てない印象を受けたし、むしろエジル以上のスケールを感じさせる選手であった。
というよりかは年齢を考慮するとかなりの化け物であった。
そういうわけで今回はハヴェルツの魅力について書きたいと思う。
★シンプルな裁き
ポジションはトップ下、ウイング等であるが現在のレバークーゼンでは偽9番で試合に出場している。
まず大前提としてハヴェルツはトラップ、パス、ドリブル、シュート等といった基本スキルが軒並み高い。
その上でボールを受けた時はシンプルに味方に叩くことが多い。
偽9番をやっている関係上後ろ向きでボールを受けることが多くなるが、狭いスペースであってもシンプルに捌けるので、ボールを失うことが少ない。
シンプルにプレイできるということはそれだけ周囲の状況判断ができていることなので、かなりレベルが高い。
★身体能力の高さ
188センチと恵まれた身長を活かして、ヘディングでのゴールも多いハヴェルツであるが、足もめちゃくちゃ速い。
裏抜けのスプリントが速いので、相手をディフェンダーを置き去りにすることができる。
でかくて速いの2つがあるだけで、プロでは相当なレベルであるが、それが凄さの一部というのが恐ろしい。
★相手スペースを見つける眼
偽9番に必要な能力として、前線から空いたスペースを見つけ、受けにくるというのがあるが、ハヴェルツはそれが抜群に上手い。
中盤の間、背後のわずかなスペースを見つけるのが抜群で、味方がビルドアップに詰まると必ずと言っていいほど顔を出して、循環を助けている。
このプレイに関してはリバプールのフィルミーノをイメージしてもらえるとわかりやすいかもしれない。
★ゴール前に入っていく上手さ
中盤の隙間に顔を出して、シンプルに叩いた後は、ゴール前にランニングし点を狙いにいくわけだが、ハヴェルツはこの入り方も非常にうまい。
まずはそのまま最終ラインの背後をとるプレイ。
最近のボルシア・メンヘングラードバッハ戦の得点が象徴しているが、オフサイドラインギリギリを飛び出してくるタイミングと走り込む角度が秀逸である。
この走り込みの上手さで今シーズン幾度もチャンスを作っている。
もう1つ、ファーサイドへの流れ方もうまい。
サイドからクロスの時のほとんどがファーサイドで待っているが、その流れ方が1度中に突っ込んでいくと見せかけて、そのままファーにとどまるという駆け引きが非常にうまい。
結果的にディフェンスの視界から消えるので、人数が揃っているのになぜかハヴェルツがフリーというのがよくある。
逆にニアで合わせるパターンは少ないので、誰か他に潰れる選手が必要かもしれない。
★個人技での打開
ハヴェルツは動き出しで点をとるだけでなく、自らドリブルでカットインしてシュートまで持ち込むプレイも得意である。
細かいタッチで2、3人連続交わしてシュートまで持っていくこともでき、ディフェンスとしては非常に厄介である。
また、ゴール前だけでなく、低い位置から長い距離をドリブルで持ち込むこともあり、ドリブルだけでも非常に芸が豊富である。
それらのプレイを的確な判断力で使い分けできるのが最大の魅力である。
現在は前線での起用が続いているが、ハヴェルツの長所を考慮するとインサイドハーフでの起用も可能である。
そのため、どこのチームに移籍しても使うポジションがないということはないであろう。
というわけでまだまだハヴェルツの魅力はあるが、とりあえず突出している部分を書き出してみた。
比較対象のエジルもスペースを見つける能力が高いしフリーランニングも非常に上手いので、確かに似てる部分もあると思うが、身体能力と個人での打開力で考えるとハヴェルツとは違う選手なのかなと思う。
いずれにせよ近い将来ステップアップすることは確実なので、これからどのような成長を遂げるかが非常に楽しみである。