相手の中盤を釣り出すのが上手いボルシアMGの戦術
相手のディフェンスラインと中盤の間のスペースに縦パスを入れるには、いかに狭い隙間を広げられるかが非常に重要になってくる。
要するに中央を閉めているボランチの選手をどかしたいというわけだ。
サッカー通ぽく言うといかに釣り出せるか。
その狙いが面白いなと思ったのがブンデスリーガでのボルシア・メンヘン・グラードバッハとウニオン・ベルリンの試合でのボルシアのビルドアップ。
最近多いのはダブルボランチでやっていても、ビルドアップの時はどちらかがセンターバックの間に下がって3バックっぽく可変させるやり方。
後ろを数的優位を作れたり、攻撃力のある選手を前に送りこめるし、そもそも後ろに人数をかけすぎるとパスコースがなくなるしあまりいいことがないという考え方が最近は主流である。
でボルシアMGのビルドアップは逆に中盤2枚があえてステイするやり方を行なっていた。
サイドバックはやや高めの位置に押し上げて、基本はセンターバック2枚とボランチ2枚の計4名でビルドアップを行なっていた。
中央に4名は一見交通渋滞気味の雰囲気が漂うが、それにはちゃんと狙いがあった。
あえて中盤は低い位置を取ることによって、相手の中盤を前に出させて、その背後を狙うという明確な意図があった。
図にするとこんな感じ
ボルシアMGは相手の中盤がスペースを開けた時に前線がちゃんと狙っているので、上手く縦パスを引き出せていた。
ここの連動はすばらしい。
ボルシアMGの中盤の上手いところはその場に留まるのではなく、横にずれたりして相手も動かしていたこと。
やはり突発的ではなく意図的に後ろに2枚残していたことが伺える。
ここで中盤がプレスに行かないとフォワードとの距離が間延びしてしまうのでそれはそれで好き勝手やらせてしまうので、ここは非常に難しい。
逆にウニオン・ベルリンとしてはこうなるなら、フォワードのプレス位置を下げて中盤にアタックする方がいいかもしれない。
こんな感じでちゃんと狙いがあって、あえて低い位置を取るいうプレーは面白かったので紹介してみました。
最近のブンデスリーガはライプツィヒにしろドルトムントにしろ中盤をいかに前に釣り出せるかというアプローチが強い。
それだけ隙間で受けるプレーは攻撃面で重要度が高いということだろう。
今後色々なやり方がありそうなのでそこも1つの楽しみだと思う。