CL準々決勝 パリSG VS アタランタ ネイマールを止めれなかったアタランタ その1
チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝、パリ・サンジェルマン対アタランタが現地時間12
日に行われ、2−1でPSGが勝利した。
組み合わせが決まって十分な準備期間があったことや、アウェイゴールのない一発勝負であったことから、白熱な試合となった。
そんな両チームの戦い振りを振り返りたいと思う。
★スタメン
アタランタはイリチッチが、パリSGはディ・マリア、ヴェラッティが不在でかつムバッペが怪我明けでベンチスタートで両チーム台所事情は厳しい状況。
パリSGはネイマールがトップ下の位置に入り、攻撃時はエレーラが中に絞り、イガルディが時折右サイドに流れてくる形であった。
★序盤ペースを握ったアタランタ
前半最初にペースを掴んだのはアタランタであった。
リーグ戦が2月に終わりゲーム勘のなさの影響もあるが、アタランタお得意のマンツーマンディフェンスに苦戦したことが一番の要因である。
前線の3人が真ん中のコースを完全に遮断し、外からの攻撃を促し、そこをマンツーマンではめるというのが基本であった。
マークの当て方は図の通りで、ポイントはセンターバックが持ち場を離れてガンガン潰しに行くことである。
また、押し込まれた時はボールサイドのセンターバックが浮いて必ず数的優位を作るのも重要である。
結果、アタランタは高い位置でのプレスでも押し込まれてブロックを作るときでも上手く守備対応ができていた。
ただし、マンマークは剥がされてしまうと途端にきつくなるという弱点を抱えているが、それはネイマールには非常に武が悪かった。
ネイマールがボールを持つとほぼはがさてしまうのと、フリックで背後を使われたりと、組織的に崩されてはいないものの、ネイマールには序盤からかなり苦戦していた印象である。
★主導権を取り返したトロイのインナーラップ
前半途中から、マンマークへの慣れと個で剥がされる場面が増えだんだんとパリSGがペースを握り返すことに成功する。
それを打破したのは、右センターバックトロイのインナーラップであった。
アタランタは攻撃時トップの選手がハーフスペースの頂点に立ちボランチ、ウイングバック、センターバックで菱形を形成するのが特徴的である。
その形を作りながら、ポジションを入れ替えて行くのがミソである。
先制点はまさにその形で、右サイドでポイントを作ったところをトロイがハーフスペースに侵入したことで、パリSGは人数は揃っていたが、上手く対応できなかった。
結果的に相手に当たって運よくパシャリッチの足元に転がってきたわけであるが、そこまでのプロセスはアタランタが今シーズン取り組んできた形そのものであった。
アタランタはこの先制点で傾きかけていた流れを取り戻すことに成功する。
その2に続く