センターバックとサイドバックの守備の違いその2
センターバックとサイドバックの守備の違いその1では選手同士の隙間とマークの問題について書いたので今回はその続きのその2に行きたいと思います。
★ヘディング対応
ディフェンスラインがヘディング対応する場面は大きくわけて2つ。
1つ目が、ゴールキックやセンターバックのフィード等の正面から来るボールだ。
正面から来るボールを跳ね返せないと失点のリスクは当然あるが、それ以上にチーム全体が押し戻されてしまう。
サイドもセンターも空中戦は勝たないといけないわけだが、サイドの場合、最悪自分が触れなくても、相手にも触らせなければ、そのままタッチラインを割る可能性が高い。
必ずしも前にはじき返す必要がないので、どちらかというと相手をボールの落下地点に行かせないブロックを覚える必要がある。
一方センターバックは誰も触らずボールが流れてしまうと、ゴール前にボールが行ってしまい際どい場面を作られてしまう。
ここが非常に厄介なところで、相手が例えヘディング自慢であっても引き分けに持ち込むことすら許されないのである。
常に前に跳ね返さないといけない状況は中々過酷である。
ヘディング場面の2つ目として横から来るボールいわゆるクロスボールである。
単純にこれはセンターバックの方がより失点に直結する場所を守っている可能性が頻度が高いので、当然求められるレベルが上がってくる。
ペナ内では、相手に一瞬でも速くボールに触れられると即失点なのでセンチ単位でのポジション修正が要求されることもある。
逆に、センタリングに対してのサイドバックの守備といえば、大外の選手か、クロスを上げる人へのマークであり、一瞬の駆け引きが勝負を決めるほどシビアではない。
ヘディング対応を考えるとセンターバックの方が圧倒的に負担はでかい。
★チャレンジ&カバー
これは選手同士の隙間の話とやや似ているが、主にセンターバックの世界には(センターバックだけではない)チャレンジ&カバーというものがある。
簡潔に説明すると相方が人に潰しに行っているときは、自分はチャレンジに行かずその空いたスペースをカバーするということである。
自分がカバーするだけでなく最終ライン全体を絞らせるコーチングも必要である。
サイドバックはラインを揃える以外、そこまで他の選手の動きに神経質になる必要はないが、センターバックは気を抜くとスペースが空いてしまっているということがあるので、相当気を使うと思う。
★サイドの守備
センターバックの選手が急遽サイドバックをやった時に、攻撃面以外で苦戦する部分として、サイドでのスピード勝負があげられる。
当然センターバックにもスピードは必要であるが、真ん中の場合カバーする味方もいるし、サイドに比べてスペースはない。
サイドの場合はスペースは広く、時にはカバーがいない状況で1人で相手ウイングを対応しなければならない。
ましてやウイングにはスピード自慢が多く、ゴール前でのシュートコースを切るディフェンスではなくスピード対応の1対1が求められる。
このスピード勝負に対して急に適応するのは難しい。
相手ウイングとのマッチアップはサイドバック守備の面白くて嫌なところの1つである。
1対1になる頻度と広さ、カバー有無を考慮すると、1対1はサイドの方がしんどい。
サイドにいるか真ん中にいるかのだけの違いではない。
トータル的には大方の予想通り、守備だけの難易度はセンターバックの方が上がるかなと感じる。
今回は両者が求められる役割も、考えることも大幅に違うということ知ってもらえればいいのと、よくディフェンスライン色々やっている選手がいるが、それはかなり大変なんだぞということが伝わればいいと思う。